TVの話からの、舞台俳優の話。

朝一起きて、シャーーーッとブラインドを開けるのが、なかなかの快感です。

 

私は電気があんまり好きじゃありません。

太陽が出ている間は、できる限り太陽光で生活したい。

 

おはようございます☀️

 

昨日やった趣味の時間。

ギター、自分の曲3曲と、「人生という名の列車」。

英語、そんなに進まなかったけど、少々。

 

夜、オーナーがTVを観ていたので、ながら見していました。「ご苦楽レストラン」。

シェフであるオーナーは、料理や店の造りのセンスについて興味津々で、良いと思うもの、そうじゃないもの、この番組の監修の料理人を調べたり、ラストシーンで、"料理人が一番言われたい言葉"が出てきて、ちょっと目頭熱くなってました。

 

自分の業界がTVドラマになるのって、いいことなのかなー。

まー、キムタクがカリスマ美容師役をやれば美容師志望は急増するし、キムタクがパイロット役をやればパイロット志望が急増するし、スチュワーデス物語?の影響でスッチーの素晴らしさはさらに広まったのかもしれない、知らないけど。

自分の業界が社会現象的に盛り上がるのは、いいことなのかー。

 

私も例えば、「役者目指してます」みたいなフィクション物を観て、わかる〜〜〜〜!と思って楽しくなることもあるっちゃある。

「累」っていう舞台女優の漫画、好きなんだけど、そこに出てくる芝居に対する考え方とか感情の表現とか、うっ、ぐっ、ってくるものもある。忘れてたものを思い出させてくれることさえある。

けど、そうね、五分五分かって言ったらもうちょっと多めの割合で、「ちげーよ」「そんなんじゃねーよ」と思うことの方が多い。

だから、あんまり好きじゃないね。自分の業界を、一つの切り口から描かれるのは。みなさん、どうなんでよう、他の業界の方は。

 

最近イラついたのは(笑)、これまたオーナーがTV見てた時にながら見えちゃったんだけど、「中居くん決めて」って番組で、舞台役者志望、みたいな若い女の子が出てきて、「舞台での収入はほとんどなくて」「稽古はお給料出なくて」「バイトは深夜で」みたいな悩みを相談、続けるべき?みたいなことをやってた時。

なんていうか、はぁ〜〜〜〜?って感じ。

まず、君の存在意義について考えようか。娯楽という職業を選んだ時点で、生産性のない、生きていく上でmustじゃない職業なのだから、商品(自分)をほしがってもらえる可能性はとても低いわけだ。お米作ったり、物作ったり、金流通させてるわけじゃないんだから。

その中で、人が楽しいと思ってくれて、それに対してお金を払ってもいいと思ってくれる芸を持っているのかい、君は?もしくは金払って見たいほど魅力的なのかい?

「お金がないんです」ってそりゃ当たり前だ。駆け出しで技術も経験もない人に金払える程舞台の制作会社に金はない。流行ってないんだから。芸能人でも出てない限り、空席があるんだから。(例え満席でも、関わった役者全員食わせるなんて相当な大手じゃないと無理)

「芝居がしたいです!」なら、金払ってすればいい。誰かに見てもらおうなんておこがましい。笑いや感動を与えられるようになってから初めて金もらいやがれ。

 

舞台役者としてお金をもらうなら、自分にお客様がついていることが結構重要である。帝国劇場に立っている役者だって、自分のSNSやブログで、「チケット私に申し込んでください!」って宣伝しているでしょう。最大手でさえ、手売りを期待してるってこと。顕著に、ジャニーズ関連の舞台は、役者が一切手売りしてない。既にお客様がついているからです。

 

自分が顧客を持っていれば、出れる舞台は増えるでしょう。何度も言うけど、最大手商業演劇だって、下手でも人気のある人がメインを張っているのが現実。それだけ、今の日本の舞台芸術界は、「作品ファン」ではなく、「個々の役者のファン」が圧倒的に多いのです。

顧客を持ってる→舞台に出られる→経験値や技術力が上がる→必要とされる、顧客が増える

これしかないんじゃないかなー、舞台俳優として続けて行く為には。このどこかで立ち止まるなら(上手くならないとか、顧客が増えないとか、どっちも持ち合わせてるのに仕事がないとか)、才能がない、向いてないんでしょう。

 

才能がないと言うと厳しいと思われるかもしれませんが、厳しくて当たり前なのです。だって、元々存在意義がmustな職業じゃないんですから。才能がないのにしがみついて、生活できないと言われても、そうですか、では転職なさったらどうですか、と言うしかないのです。非凡な芸や作り物を観るために足を運んで下さるお客様に、凡庸な物を見せるのは、むしろお客様に失礼です。

 

ここまで書いていてふと思いましたが、この感覚、他の業界でも当てはまるのかもしれませんね。料理人にも美容師にも、ファンというのはいますもんね。私も被ファンの料理人や美容師がいます、そういえば。シェアメイトの元アパレル店員ちゃんも、自分が接客して売ったら自分の売り上げになって、お客様の中には、「あなたから買いたい」と言ってくれる人がいると言っていました。保険屋さんとか、銀行員とか、サービスマンとか、もしかしたらヤクルトおばさんにもいるのかも。

自分が自信を持ってお勧めできる商品を売り続けられたら幸せですね。自分を信用してくれてるから、買ってくれるんですもんね。我々の場合、その商品が、「自分」というだけのこと。ならば、商品を磨くことにも、それを売ることにも、一生懸命になるべきかと。

 

あ!もう一つ方法があった!

それは、商品の売り込みを、誰かに委託するというもの。自分はあくまで商品。この出来上がった素敵な商品を、はい、誰か売ってください、という方法。

つまり、プロダクションに所属したり、マネーシャーをつけたりして、自分を売り込んでくれる、自分に仕事をくれる、自分に顧客をつけてくれる人の管理下に入る、もしくはそういう人を雇う。

これって結構当たり前のことですね。基本的にみなさんそうされている。しかし、多くの舞台俳優の事務所は、1年間のスケジュールを埋めて、食べていけるだけの収入を与えてくれることはほぼない。当然だけど。

 

ということは、ごく一部の恵まれた人を除いて、どちらも並行してやらなければいけないってことだ。技術の向上に精を出し、顧客の獲得に精を出し、プロダクションがくれた仕事をして、自分でも仕事を探して、それでも生活できないなら、アルバイトなどの副業をして。それでも舞台がやりたいから。「この生活は苦しい、でもいつか売れてやるぞ!」と思っている人もいるだろうし、「舞台に立てて生きていられて幸せじゃないか」と思っている人もいるでしょう。どちらも幸せだと私は思う。

 

で、最初のTV番組の話に戻りますけど、その女の子の悩みを聞いたスタジオの演者さんたちは、「舞台俳優の卵ってそんな大変なんだ」「とりあえず今日みんな2万円ずつあげようよ」なーんて話してました。なんと物事の本質を無視したつまらない発言か。いや、いいのですよ、TVで喋る演者さんの言葉なんて、作家の台本通りに進めているものだと私は思ってますから、ここに出ている演者さん個人個人を嫌いになったりはしない。この番組はきっと二度と見ないけど。

 

現在帝国劇場のヒロインを次々を獲得されている生田絵梨花さんは、元々舞台俳優になりたかったという話を聞いたことがあります。その途上の一つとして、アイドルを選択し、見事に知名度と顧客を獲得し、舞台俳優として成功したのだとしたら、才能と先見の明を兼ね備えた凄い人だなーと思います。